封入体筋炎に関する情報は、かなり限られており、かつ、最新の情報がupされない状況です。
このページはそれを補うために、webmaster akioが重要と思うものを掲載するものです。webmaster akioは、医者ではありませんが、分かるところを読んでコメントします。ご容赦願います。また、リハビリテーション関係の文献情報も今後upする予定です。よろしくお願いします
- 難治性疾患等政策研究事業 希少難治性筋疾患に関する調査研究班 封入体筋炎分科会: 封入体筋炎 診療の手引き, 2017.9, pp. 1-27. (コメント:2017年9月に発表されたものであるが、担当医はこれでよいかもしれないが、私たち患者はこれじゃ展望が全くつかめない。標準治療法をもっと大胆に提案できないでしょうか?)
- 森 まどか ほか9名: 封入体筋炎患者を対象とするBYM338の後期第Ⅱ相/第Ⅲ相試験(RESILIENT):日本人部分集団データ, 臨床神経学, 59巻, 12号, 2019.12, pp.806-813.(コメント:2019年にsIBMにおける新しい抗体BYM338の効果を検討したものである。結果は、テストした日本人が20名と少ないため、標準偏差が大きく、BYM338投与のベネフィットを明確には示すには至らなかったとある。これについては、続報を待ちたい。)
- ほぼ最新の封入体筋炎に対する解説論文です。鈴木直輝・井泉瑠美子・青木正志:増えてきた封入体筋炎(特集/筋炎の診断と治療の新たな展開), 神経治療, vol.37, No.2, 2020, pp.135-140. (コメント:この論文により上記2.のBYM338は開発中止となったことが分かった(残念)。また、封入体筋炎の治療法に関する投稿ページで言及しているArimoclomolについては、この論文では第2相治験となっているが、第3相治験を現在、米国で行っているという情報がある(封入体筋炎の投稿ページ参照)。
- リハビリ関係の論文をupします。山崎真理亜・舟田眞美・林 一美:封入体筋炎とともに生きる~封入体筋炎と診断を受けえた患者の思いと経験~(患者の手記より), 難病と在宅ケア, vol.20, No.10, 2015.1, pp.43-47. (コメント:現在の患者会:ポピーの会に関連したものです。本論文は東京医科歯科大学医学部付属病院リハビリテーション部から提供していただきました。感謝いたします。)
- もう一編リハビリ関係の論文をupします。畑中真穂 ほか8名:ロボットスーツHALⓇによる治療を行った封入体筋炎, 国立大学リハビリテーション療法士学術大会誌, 40, pp.42-45, 2019-05. (コメント:ロボットスーツHALⓇより、封入体筋炎に関する、普通のリハビリの手法が知りたい。本論文は東京医科歯科大学医学部付属病院リハビリテーション部から提供していただきました。感謝いたします。)
- 封入体筋炎投稿ページ2020/09/19時点の意見のとりまとめ:
①かたつむりさん:ポピーの会の会報により、病院、主治医により、受ける治療法が大きく異なることに、衝撃を受けています。中には何の治療も受けていない方も。封入体筋炎は炎症、変性によるとか、炎症を抑える為には、基本、ステロイドパルス、その後、免疫グロブリンや免疫抑制剤治療治療が相場と思っていましたから。たとえCK値がさがっても筋肉が回復しないにしろ、副作用を上回る効果があるのでは。(コメント:この意見は、webmaster akioも衝撃を受けました。標準治療法が全くない現状が良くわかりました。)
②IBM man after 5 before 80さん:Arimoclomol 3rd. phase Extension Trial https://ichgcp.net/clinical-trials-registry/NCT04049097 (コメント:アリモクロモル(Arimoclomol)についての新しい情報です。米国で第3相治験が行われていると考えられ、治験終了予定は2022年5月22日です。)
③IBM man after 5 before 80さん:米国のcure IBM web_site (コメント:これはお金のかかったよくできたweb siteです。家で転倒した時の起き上がり方まで、動画で載せてます。日本でもこのようなwebがあれば理想ですが、webをつくるにはかなりお金も時間もかかりそうです。)
https://cureibm.org/
④IBM man after 5 before 80さん:上記文献3.の鈴木・井泉・青木(2020)の中の「アリモクロモル治験24名」の元になる解説です。(コメント:アリモクロモルについての治験情報です。)
https://ard.bmj.com/content/72/Suppl_3/A164.1.abstract
概要(日本語訳はIBM man after 5 before 80さん)
背景散発性封入体筋炎(IBM)は、50歳以上の患者に発生する最も一般的な特発性炎症性ミオパシーです。IBM筋肉は炎症性および退行性の特徴を示します。以前の試験では、IBM病理学の炎症性コンポーネントのみを対象としたエージェントのみが関与しており、すべて無効でした。細胞保護的な「熱ショック反応」(HSR)を調節することは、炎症と変性の両方の有害な側面を抑制することができる治療戦略を表しています。アリモクロモールは、熱ショックタンパク質(HSP)の発現を増幅することでHSRをアップレギュレートできる、経口投与される薬理学的物質です。目的 IBMでのアリモクロモールの安全性と忍容性を評価し、IBMでのアリモクロモールの探索的有効性データを収集すること。方法この二重盲検プラセボ対照2中心(英国ロンドンおよび米国カンザス州)の第IIa相試験では、IBMの患者24人が4か月にわたってアリモクロモール100mg TIDまたはプラセボ(2:1比)に無作為に割り付けられました( FDAにより義務付けられています)、その後8か月のフォローアップ期間が続きます。主な結果は有害事象報告(安全性と忍容性)でした。身体機能(IBM機能評価スケール(IBMFRS))、筋力(手動筋肉検査(MMT)および最大等尺性収縮検査(MVICT))、および無脂肪質量パーセント(二重エネルギーX線吸収測定(DEXAで測定) ))は二次的な結果の測定として含まれました 治療フェーズの前後の筋肉生検組織(ミオシン含有量に調整)のHSP70レベルも測定しました。結果17名の男性と7名の女性を登録し、平均年齢は66.8±7.5歳、平均疾患期間は8.4±4.3歳でした。すべての患者は、IBMの確定(42%)または確率(58%)のグリッグス基準を満たしました。アリモクロモール群で1つの重大な有害事象が観察されました(最初の生検の日に長期入院を必要とする高血圧)。1つのアリモクロモールレシピエントは、一過性低ナトリウム血症を発症しました。眼科検査では、有意な眼の罹患率は明らかになりませんでした。全体として、安全性と忍容性のプロファイルはグループ間で類似していた。8か月目に、IBMFRS(-0.68±1.58対-2.50±3.31、p = 0.055)、平均MMT(-0.12±0.22対-0.26±0.27、p = 0.147)、およびMVICT右手グリップ(1.26±2.63 対 -0.54±1.86、p = 0.064)。結論アリモクロモールは安全で忍容性が高く、IBM患者に潜在的な治療効果があるという予備的な信号を示しました。これらのデータは、IBMにおけるアリモクロモールのさらなる研究をサポートします。
謝辞:この研究者主導の試験は、関節炎リサーチUK、カンザス大学神経学チーグラーグラント、カンザス大学総合臨床研究センターCReFFグラントから資金提供を受けました。 - cure IBMの重要部分
6.③で書いたcure IBMのTreatment(治療)- Medications(薬物治療)の部分の重要と思われるところを引用します。下記によると、CK値を下げてリハビリするのはOKだが、その筋力増強効果をCK値では評価できないということだと思います。
Patients and physicians sometimes mistakenly judge the effect of treatment by checking levels of the enzyme creatine kinase, which is released into the bloodstream by damaged muscle. However, creatine kinase levels should not be used to decide if treatment is working. Muscle enzyme levels do not accurately reflect the course of the disease. It is tempting to rely on the creatine kinase level, because the result is a number, and it is easy to see if it is going up or down. It is much more difficult to decide if a patient’s muscle strength is stable, or whether the patient can walk better. However, evaluating the patient’s ability to function is the only meaningful way to evaluate the response to therapy.
(google翻訳)
患者や医師は、損傷した筋肉によって血流に放出される酵素クレアチンキナーゼのレベルをチェックして、治療の効果を誤って判断することがあります。ただし、治療が有効かどうかを判断するために、クレアチンキナーゼのレベルを使用するべきではありません。筋酵素レベルは、疾患の経過を正確に反映していません。結果は数値であり、上昇しているか下降しているかを簡単に確認できるため、クレアチンキナーゼレベルに依存するのは魅力的です。患者の筋力が安定しているかどうか、または患者がよりよく歩くことができるかどうかを判断することははるかに困難です。ただし、患者の機能能力を評価することが、治療に対する反応を評価するための唯一の意味のある方法です。